働きながら税理士なれる?試験について詳しく説明

働きながら税理士なれる?試験について詳しく説明

会計・経理職の人であれば、経験を積んでいくごとに
「自分のできる業務を増やしたい」
「知識を増やしたい」
「給料アップしたい」
など思う方もいるでしょう。でも、どうやって実現するかと考えた時に、転職を思い浮かべるかもしれません。しかし、今のまま転職をしても将来的な業務内容は変わる可能性はあるものの、
仕事内容や給料は、さほど変化がないでしょう。
会計・経理職は、専門職です。専門職とはいえ、経験も大切です。しかし会計・経理職に何より必要なのが会計に関する知識です。知識があることで業務の幅を広げることが可能になります。
会計系であれば、キャリアアップのため目指す方が多いのが「税理士」です。
経理担当者であれば、仕事で税理士の方とお会いする機会もあり、興味を持たれている方もいるかもしれません。
この記事では、税理士試験について詳しくご説明します。
働きながら、税理士の資格取得は難しいと考えている方にぜひ読んでいただきたいです。

税理士とは

税理士とは、名前の通り「税」の知識を持つ専門家であり国家資格です。
税理士には独占業務と呼ばれる、税理士だけに許されている専門の業務が3つあります。
・税務代理
本来は、税務申告は納税者の自己申告のため本人しかできません。税理士のみ納税者にの代理で税金の申告・納付が可能となります。申告方法は、納税者と同じく、税務署で行う場合と、電子申告が可能です。

・税務書類の作成代行
「税務代行」などで使用される、税務申告・確定申告の書類の作成を行います。誰でもできそうな書類の作成ですが、代理で書類を作成して良いとされているのは、税理士のみです。

・税務相談
税務相談とは、節税対策や税金の計算方法など、税金について税理士に相談に乗ってもらうことです。

税理士の仕事は税金に関することが中心です。しかし実際の税理士の仕事は、税金に関することだけではありません。
例えば
・月次、年次決算業務
・記帳代行(経理アウトソーシング)
・経営に関する相談役
・会計処理に関するアドバイス
など。企業の経営に深く関わっていく仕事が多いのも税理士の特徴です。

税理士試験

税理士試験の合格まで10年かかる人もいる…と聞くととても難しい試験に思いますよね。
もちろん国家資格の試験のため、簡単な試験ではありません。
しかし10年かかるには、税理士試験の仕組みが大きく影響しています。
これから、税理士試験の仕組みについて詳しくご説明しますね。

受験資格

税理士試験は誰でもが受けられる試験ではありません。受験資格を満たす必要があります。
※以下の要件のうちいずれか1つ
【学識】
・大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者
・大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
・一定の専修学校の専門課程(※2)を修了した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
・司法試験合格者
・公認会計士試験の短答式試験に合格した者
【資格】
・日商簿記検定1級合格者
・経簿記検定上級合格者

【職歴】
・法人又は事業行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
・銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事した者
・税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者

引用:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikaku/shikaku.htm)

万が一受験資格を満たさないとなった場合、せっかく勉強をしていても試験を受けれないという事態になりかねません。なので、受験資格に不安がある場合は、あらかじめ国税庁に確認することがおすすめです。

試験科目

税理士の試験科目は、必須科目以外は受験者がどの科目を受験するか決められる選択制となります

会計学に関する科目:簿記論、財務諸表論
税法に関する科目:所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税

税理士試験を合格するには、上記のうち5科目以上の科目合格が必要となります。
組み合わせは、以下のように選択が可能です。
1科目目:簿記論(必須科目)
2科目目:財務諸表論(必須科目)
3科目目:所得税法又または法人税法のいずれか
4科目目、5科目目:相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税のうちいずれかの2科目

税理士の試験は、科目合格制のため一度に5科目の合格を目指す必要はなく、一度合格した科目は資格の有効期限もありません。そのため1科目ずつ受験することが可能です。

合格基準

税理士試験の科目合格基準は、満点のうち60%以上。
税理士試験の合格基準は、会計学の科目2科目と税法に関する科目3科目の計5科目を合格していることです。

税理士業務を始めるためには

最初に書かせていただいた通り、税理士の仕事には独占業務が含まれています。そのため税理士登録をしないことには、税理士業務を行うことはできません。日本税理士会連合会の税理士名簿に登録がされて、初めて税理士業務を行うことができます。

さいごに:働きながら税理士を目指せるか?

税理士は、働きながらでも目指すことが可能です。理由は、科目合格制度を導入しているため、ご自分のペースで受験スケジュールを決めるこができるからです。とはいえ、決して簡単な試験ではありません。しかし、経理職としてキャリアを積んでいくうえで持っていたら必ずやプラスになる資格であることは間違いありません。

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