経理実務経験者向け!転職に有利になるFASS検定とは?
経理・財務系の試験「FASS検定をご存知でしょうか?」
会計に関する資格で有名なのは、簿記検定、税理士試験、公認会計士試験などがあります。有名な3つの資格とは全く異なる視点で作られたのが「FASS検定」です。
経理の仕事はルーチンワークが多く、数値や結果等で仕事スキルを確認することは難しいです。そのため「自分は、経理スキルを身につけられているのか?」と不安に思うこともあるでしょう。
経理の仕事は、資格をとったら終わりではありません。資格取得後、長い年月をかけて、スキルを身につけていくことが必要な仕事です。
この記事では、国内唯一の経理実務経験者向けの検定「FASS検定」について説明します。
FASS検定とは?
FASS検定とは、経理・財務の実務スキルを測るための検定です。
試験の受験対象者は経理・財務に従事する人が中心。経済産業省は、経理・財務部門の強化や、最適な人員配置、人材育成を行うために2004年に「経理・財務サービス・スキルスタンダード」の開発を行いました。
「経理・財務サービス・スキルスタンダード」の普及を行うため経済産業省は検定試験を実施を決定。2005年度の下期より検定が実施され、累計受験者数は54,000人を越しています。FASS検定は、経理・財務のスキルを客観的に判断できる画期的な検定のため、注目を集めている検定です。
FASS検定の試験概要
FASS検定の試験概要について説明します。
※試験内容については、経済産業省経理・財務人材育成事業 公式サイトを参照しています(http://www.cfo.jp/fass/fass_exam/index.html
試験内容
試験は、4つの分野に分けられています。
・資産分野
・決算分野
・税務分野
・資金分野
試験日
試験は年に2回あり2期制受験。上期と下期に分けられています。
年2回の受験は可能ですが、同一受験期間に2回受けることは禁止。もし同一受験期間内に2回試験を受けた場合は、無効とされます。
上期:5月1日〜7月31日
下期:11月1日〜1月31日
受験料
一般:10,000円
日本CFO協会法人会員:8,000円
試験時間
FASS試験本体:90分(100問) オプション科目:30分(※任意受験)
試験方法
コンピューターにて実施
試験結果
FASS検定の結果は合否ではありません。
スコアによって、FASS試験本体は5段階、オプション科目は3段階にて評価します。
・本試験結果 レベルA〜Eの5段階評価
(満点800)
A:スコア689点〜
経理・財務分野について、業務全体を正確に理解し、自信をもって経理・財務部門の業務を遂行できるスキルをもっている。
B:スコア641点〜688点
経理・財務分野のほとんどの業務を理解し、業務を遂行できるスキルをもっている。分野によって、知識の正確さに個人差があるものの、業務を妨げるようなことはなく、適切に対応できるスキルをもっている。
C:スコア561点〜640点
経理・財務分野について、日常の業務を行うための基本的なスキルが身についているが、自己の経験以外の業務への対応力について差が見られる。日常の業務であれば、業務を理解して、支障なく対応できるスキルをもっている。
D:スコア441点〜560点
分野によって、知識の正確性に差があり、不十分な部分が多いが、支援を受けながら、最低限の業務を行うスキルをもっている。
E:スコア〜440点
経理・財務分野について、部分的にしか 理解できていない。今後の努力を期待する。
FASS検定は転職に有利?
FASS検定は、経理・財務職で転職をするのであれば持っていて損はない資格です。
もし、転職のため履歴書に記載するのであれば、スコアはC以上を目指しましょう。
なぜ、FASS検定を取得している転職で有利かと言うと、他に経理スキルを測る試験がないためです。
経理・財務職の経験者が転職する場合、多くの人が簿記2級を合格しています。そのため経理経験者の転職では、簿記2級を合格していることがプラスの要因にはなりません。転職の最低基準になります。今後、FASS検定は、企業が採用基準を決める際の基準になる可能性が高い検定と言えます。FASS検定は、入社前に転職者のスキルを確認できるため、採用後のスキルミスマッチを減らせることでしょう。
近い将来、求人票の応募必須要件に、「FASS検定スコアB以上」というな記載が増えるかもしれません。
まとめ
この記事では、FASS検定について説明しました。
初めてFASS検定を知った方もいるのではないでしょうか。FASS検定は、他の会計関連の資格試験と違い、試験に受かったら終わりではありません。自分のスキルを測るための検定です。スキルアップを目指す方にとってFASS検定は一つの基準となるでしょう。今後、企業での需要が増えることが期待される検定です。