今さら聞けない…「IFRS」って何だろう?

約140か国で採用されている国際会計基準。日本は任意適用

「IFRS」という言葉、あなたは聞いたことがあるでしょうか?
IFRSは、国際的な会計基準のことです。今回は、日本でもじわじわと適用企業が増えているIFRSについて説明していきます。聞いたことがある人もそうでない人も、ぜひ一読して頭に入れておいてくださいね。

 

国際財務報告基準「IFRS」とは?

IFRSとは「International Financial Reporting Standards」の略称で、ロンドンを拠点とする国際会計基準審議会(IASB)が策定する会計基準のことです。

経済活動のグローバル化によって国際的な会計基準の必要性が高まったことから策定され、2005年にはEU域内の上場企業に適用が義務づけられました。2019年時点では約140か国で自国の会計基準として採用されています。
すでに多くの国で採用されているIFRSですが、いわゆる経済大国であるアメリカ、中国は採用していません。アメリカでは強制適用に向けて準備が進んでいましたが、現在はIFRS導入について明確な姿勢を見せておらず、当面は導入されないだろうと見られています。

日本では2015年に導入予定でしたが、東日本大震災や上記のようなアメリカの状況の影響により、現在は任意適用となっています。2019年現在で、IFRSを採用している日本国内の上場企業は約200社となっています。

ちなみに、「IFRS」の読み方は以前から「アイファース」「イファース」「アイエフアールエス」の3通りがありますが、現在は「アイファース」または「イファース」と読まれる場合が多いようです。

 

IFRS 3つの特徴

原則主義

IFRSは解釈指針だけがあり、詳細な規定や数値基準はほとんど示されない「原則主義」となっています。そのため解釈の自由度が高いのですが、解釈の根拠を外部に明確に示すために非常に多くの注記がなされます。
これに対して日本基準は細則主義であり、会計基準や解釈指針、実務指針などについて細かく規定されています。

貸借対照表重視

日本では従来、期間損益を重視し損益計算書に比重を置く傾向が強くありました。しかしIFRSは、投資家や債権者が必要とする資産価値を評価する情報として、貸借対照表をより重視します。

グローバル基準

IFRSでは徹底したグローバル基準をとります。税制の違いなど各国の独自性は加味されず、使用言語は英語と定められており、言語による差異が出ないようにしています。

 

まとめ:日本でも適用企業が増えている

日本では国として本格的な導入はされていないIFRSですが、上場企業、特にグローバルに事業を展開する企業では導入が進んでいます。
上場企業の経理職を目指す方、国際経理に携わりたいと考える方は、IFRSについて学んでおくことはプラスになるのではないでしょうか。

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